ドイツ語圏 (鉄道)
No.26 ドイツ ザウシュヴェンツレバーン 俯瞰
Nr.26 Deutschland Der Überblick von Sauschwänzle Bahn

■ 2016年8月11〜13日 撮影

ドイツ南西部、バーデン=ヴュルテンベルク ( Baden = Württemberg ) の Zollhaus-Blumberg と Weizen の間、25Kmの区間に蒸気機関車の保存運転を行っているザウシュヴェンツレバーンがある。

この線区は1887〜1890年の間に開通し、1977年から蒸気機関車のMuseumsbahn (博物館運転)を行っている。この区間は ヴタッハタル(ヴタッハ渓谷)と呼ばれる地域に位置し、線名をザウシュヴェンツレバーンと呼んでいる。

この線区の特筆すべきは区間25Kmの間に、オメガカーブが4つ、ループが一つ存在して、その線形を敷設することで全体の勾配を暖勾配化していることだろう。始点のZollhaus-Blumberg が海抜702mで、終点の Weizen が471mである。全区間の平均勾配は10パーミルほどであるが下りや平坦も有るから、最急勾配は20パーミルくらいであろう。下記に始点からの各駅の距離と海抜を記しておく。

起点0kmZollhaus-Blumberg ;海抜702m
起点5kmEpfenhofen ;海抜655m
起点13kmFützen ;海抜587m
起点18KmGrimmelshofen;海抜539m
起点25KmWeizen ;海抜471m

このザウシュヴェンツレバーンの魅力は、4つ存在するオメガカーブの内の3つまでが展望できることであろう。オメガカーブと云えば海外蒸機ファンの間では2005年まで現役蒸機が活躍した、中国の集通鉄路が記憶では新しい処である。しかし集通鉄路の無煙化と共に、蒸気機関車が走行するオメガカーブの存在を聞かなくなってしまった。それがドイツの南西部丘陵山間路線にオメガカーブを描く雄大な保存鉄道が存在しており、驚くばかりであった。蒸気機関車の運転は4月から10月の間で、延べ90日前後、190本前後のスジがある。日数より多いのは、一日2往復の設定日があるからである。

今回、お盆休みに行ってきたが、短い休みを有効利用するために往復夜行便の飛行機を使った。そうすると、到着日から撮影を開始することができる。始点のツォルハウス=ブルムベルク から終点の ヴァイツェン へは一方的な下り勾配となって機関車も後ろ向き(バンカーファースト)で運転されるから、狙い目は坂を上ってくるZollhaus-Blumberg 行きということになる。滞在期間中に登ってくる列車は6本(プラスアルファで7本)撮影できるのだが、4本もオメガカーブを俯瞰できる場所から同じような写真を撮ってしまった。プヒュッツェンの南に有る鉄橋 タルウィーバーガンクプヒュッツェン を渡る場所から眼下の鉄橋Bビーゼンバッハフィアダクト に来るまで、実に30分間も汽車が見え隠れして楽しめるのだ。その場所に立つと、その展望が病みついてしまう。

今回のUPは、そのオメガカーブ3つを蛇行してくる汽車の俯瞰でる。

尚、機関車は262 という 1D1 のタンク機関車が走っていた。

下の写真すべて同じ場所からの定点撮影です。

上;ザウシュヴェンツレバーンのDer Prospekt (パンフレット)をBlumberg のホテルで撮影。
線路図が参考になる。尚、ループは樹木に覆われていて展望不可能である。

上;プヒュッツェン渓谷にかかる橋を渡る。30分間のドラマの始まりである。撮影している場所からここまで、直線距離で4km弱ある。

上;プヒュッツェン発車。先ほど渡った鉄橋が右後ろに見えている。

上2枚;向かってくるかと思えば、去っていく汽車。オメガ線の特徴だ。

上;丘陵の陰に去って行ったかと思えば、こちらに向かってきた。オメガで向きが変わったのだ。

上;エプフェンホーフォンの駅を発車。

上;エプフェンホーフォンを発車した汽車は エプフェンホーフェン渓谷橋で丘陵の対岸目指して走る。

上;鉄橋を渡った汽車は、大きくカーブを描いてオメガを回っている。

上;オメガカーブを描くことで、既に20m程の高低差が右下の駅との間に広がっている。右下に先ほど発車した駅が見えている。ここへ来るまで6〜7分かかっている。

上; Biesenbach-Viadukt ビーゼンバッハ橋、252.5mを渡る。カーブを描いた鉄橋だ。右下に先ほど通ったエプフェンホーフェンの駅が見える。


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Last Updated  2016-08-28