日本!(お神楽)
No.7 鷲宮催馬楽神楽(土師一流催馬楽神楽)
撮影場所&日; 埼玉県北葛飾郡鷲宮町、鷲宮神社
2005年4月10日(日)

東武浅草駅から準急に乗り1時間10分で、鷲宮に着く。鷲宮が近づくころから車窓に田園風景が展開するようになった。
お神楽の奉納される鷲宮神社は駅から徒歩8分程で着く、大きな境内を持つ天穂日命、武夷鳥命、大乙貴命を御祭神とする神社でした。
ここではお神楽は年に6回奉納されるのですが、私が行ったのは、丁度日曜日と重なった春季祭でした。
ここの鷲宮催馬楽神楽は、鎌倉時代の史書『吾妻鏡』にも記載されているようで、古くから奉演されていたようです。しかし現在は十二段(12の番組)が継承されてますが、この数になったのは宝永5〜享保11(1708〜1726)年ころであり、国学の影響を受けている可能性があります。
一段の舞は「出端」「舞掛かり」「引込み」の三部になっており、各段の間に催馬楽”が謡われます。催馬楽”については写真の下で後述します。
私がここのお神楽で、一番興味を持って拝見したかった舞は、舞台の上に天浮橋の作物を置き、伊邪那岐命と伊邪那美命が国生みにその周囲で舞う【八州起源浮橋事之段】です。国生みを素材にして天浮橋を登場させる舞は、かなり珍しい。
現存十二段のうち当日奉納されるのは半分ほどで、どれが奉納されるかは保存会の誰が参加可能かで、当日決るという、、、(汗)。
だから国生みの舞が拝見できるかは、運次第です。。。
私が訪れた日には、七段の神楽と端神楽(幼巫女の一人舞)が奉納されました。そのうちから三段をUPしました。御高覧下さい。
お神楽の奉納される神楽殿(文政四年、1821年再建)は、南面した本殿に向かい合うように建ってました。

≪お神楽が奉納される日≫1月1日(歳旦祭)、2月14日(年越祭)、4月10日(春季祭)、7月31日(夏越祭)、10月10日(秋季祭)、12月初酉日(大酉祭)
≪参考文献≫本『鷲宮催馬楽神楽』鷲宮町教育委員会&CD『雅楽・御遊』ライナーノート


【五穀最上国家経営之段(ごこくさいじょうこっかけいえいのまい)】
三番叟の面の倉稲魂命が三方、扇と鈴を持つ。保食神は、種壺、扇と鈴を持ち、舞ながら種まきの動作をします。五穀が実り、国家が栄えることを祈る舞いです。

【降臨御先猿田彦鈿女之段(こうりんみさきさるたひこうずめのまい)】
天孫邇邇芸命が降臨されるとき、道に立ちふさぐ猿田彦、それを問いただす鈿女命。猿田彦は、降臨の道案内に名乗り出たのである。
後に夫婦となる神々の舞です。猿田彦が鉾を持って舞うのは、国家安穏祈願です。

【八州起源浮橋事之段(やしまきげんうきはしわざのまい)】
男神の伊邪那岐命は日形、扇に鈴を持って舞います。女神の伊邪那美命は月形、扇と鈴を持って舞います。二神が天浮橋の上に立ち、矛を下にかきまぜて引き上げた滴が積もって島が出来た、古事記の「国土の修理固成」によった舞です。子孫繁栄開運祈願の舞です。


《参考》雅楽の催馬楽「伊勢海」が聴けるCD【御遊】
雅楽を三つに大別するなら、「国風歌舞」「楽舞」と「歌物」であり、催馬楽”は朗詠と共に「歌物」に属します。平安時代中期頃に流行した俗歌・民謡を雅楽風に編曲したものです。句頭(主唱者)が独唱部の拍子から始まり、付所という多数の斉唱者と笙、篳篥、龍笛そして琵琶箏が伴奏に加わります。現存曲は6曲あります。添付写真は、催馬楽の〈伊勢海〉が収録されているCD雅楽【御遊】です。(KING:KICH 169)
ただし鷲宮催馬楽神楽で謡われる催馬楽は、残存する雅楽の催馬楽そのものではありません。催馬楽も、長い歴史の中で喪失しており、鷲宮催馬楽神楽の催馬楽が、その失われた曲がここに残っているのか、あるいは詩を催馬楽風にアレンジしているのかもしれない。


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Last Updated  2009-12-29