日本!(真清田神社)
No.6 平成19、20(2007、2008)年 年末年始
撮影場所;愛知県一宮市 真清田神社
撮影機材;Nikon D300、D80+VR18-200mm、AF85mm、SIGMA10-20mm、18-50mm

※祭文殿での祭典の写真は、特別許可での撮影であることをお断り致します。参拝者の方は、拝殿外賽銭箱付近より奉拝可能です。
真清田神社さんでは、年末から新年(新歳神様)を迎える準備と祭典が斎行される。そして元旦、新年を迎える祭典が厳粛に行われる。日本人にとって新年がどれ程に大切な節目であったか、真清田神社さんの祭典を奉拝させて頂くことで、改めて実感した。


■大鏡餅奉納 (平成19年12月28日撮影)

午前10時に地蔵堂と出発した大鏡餅、農産物の豊年舟と米俵三俵が三基の台車に載せられて、午前11時に神社に到着した。
地元農業奉賛会によるご奉納で、鏡餅に使われたもち米は五俵300Kgだという。
鏡餅は新年に迎える歳神様への供物であると同時に、神様からの賜り物である。それを鏡開き後に頂くことは、歳神様の御魂を頂くことである。歳神様とは穀霊と考えられる場合が多いが、民間(民俗)宗教では祖霊や自然の精霊だったりと地域によって多々考えられている。鏡餅が丸いのは心の臓の形とか、御神鏡の形だとか云われる。あるいは魂が丸いのだとも云う。稲から成った大鏡餅に穀霊が宿ると考えるのは不思議ではない。
余談になるが、民間でも年末には餅を搗くことがかつては多かった。しかし31日に搗くのは「一夜餅」そして29日に搗くのは「苦餅」と云われて、この両日に搗くのは嫌ったそうである。ちなみに真清田神社さんでは23日に餅搗神事が斎行される。

上写真;地元産の野菜を載せた豊年舟が拝殿に入る。

上左写真;宮司さん禰宜さんらが見守る中、大鏡餅が奉納される。


■若水祭 (平成19年12月31日〜平成20年1月1日撮影)

『若水祭』が、午後11時半から午前零時半まで神水舎と祭文殿で斎行された。午後11時半、斎館を出られた宮司さん禰宜さんらが神水舎で若水を汲まれる。そして本殿に供水される。午後11時55分には祭文殿に着座されたが、新年になるのを待って本殿の儀が始まる。宮司さんから許可を得て拝殿内で奉拝させて頂いたが、拝殿外に目をやると日付が変わって打ち鳴らされる大太鼓の合図を待って参拝しようと、境内の賽銭箱にかけて境外から大行列であった。やがて大太鼓。鳴り響く参拝者の拍手と並行して祭文殿では祭典が進行した。『若水祭』は、新年の祝意を現す水で蘇りの水を御神前に供える儀式である。新年の若水を汲むのは若水迎えとして民間(民俗)風習として残っている地があるようである。元々は平安時代、宮中の立春行事に若水はあったようで、天皇が「万歳不変水 急々如律令」と呪文と唱えたという(※石村貞吉「有職故実」講談社学術文庫を参考)。

上写真;神水舎において宮司さんが若水を汲む

上写真左;神水舎から祭文殿へ、上右写真;禰宜さんによる撤水


□参拝者

新年になった途端の一斉の拍手が境内に鳴り響く。新しい歳に願いを込めて神前に参拝する。

上右写真は、元旦午前零時半の撮影


■歳旦祭 (平成20年1月1日撮影)

元旦の午前5時からは『歳旦祭』が斎行された。供饌、祝詞奏上、神楽「桃豊舞」奉奏そして撤饌であり、祭典が終わったのは午前6時であった。歳旦祭は、古年を捨てて新しい年を迎える寿ぎ詞で祝し、心身ともに新たな生命の甦りを願って神々に拝し、一年の無事を祈る儀式である。

上左右写真;斎館前での参進前(午前4時50分頃の撮影)

上左右写真;巫女さんによる神楽【桃豊舞】の奉奏

上写真;撤饌


■神楽始祭 (平成20年1月2日撮影)

今朝9時より、『神楽始祭』が斎行された。小学生男女各四名計8人の神童神女によって大々神楽が奉奏され、最後に伶人さんによる人長舞「其駒」も奉奏された。
大晦日から元旦にかけての『若水祭』、そして新年の『歳旦祭』に続く新年の祭典ということになる。元旦に歳神様をお迎えしてからの、鎮魂・供応の神楽祭かと思う。真清田神社さんにおいては、江戸時代に既に大々神楽として春秋に行われていた記録がある。新穀豊穣成就祈願と、収穫の感謝の時季である。
祭文殿の左右の大太鼓前に居並ぶ神職さんや神童神女に伶人さんの中央で舞が奉舞される。この穢れなき清浄な空間は、神道美の極致と思う。万民国家安寧繁栄長久を願って、この美しい空間で祭典が斎行される。なお真清田神社大々神楽は、一宮市の無形文化財になっている。

上左写真;木綿四手舞、上右写真;馬槽舞

人長舞(其駒)


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Last Updated  2010-01-01