日本!(雅楽・舞楽)
No.7 2005年 春日大社『文化の日舞楽演奏会』
撮影場所&日;奈良市春日野町、平成17(2005)年11月3日

11月3日には春日大社で、午前・午後二回の舞楽奉奏があります。
午前は、『明治祭』という祭典で一曲が奉奏され、今年は【還城楽(右)】でした。舞は、林檎の庭で舞われますが、祭典の一部であるため、舞人の向きは御祭神向きであります。が、拝殿外の賽銭箱付近から奉拝が可能です。今回UPした写真も、その位置からの撮影です。ですが前記しましたように、舞は御祭神向きですから、こちらを向かれて舞われるシャッターチャンスは僅かです。
その祭典の『明治祭』とは、「明治の御世を偲び、明治天皇の御聖徳に思いを巡らせる日」ですが、明治天皇への一種の皇霊祭なんでしょう。10人程の神職さんが本殿に参進され斎行されますが、この神事自体は賽銭箱付近からも奉拝は不可能です。そしてその後に、舞楽が一曲奉奏されるのですが、御祭神(タケミカヅチノミコト、フツヌシノミコト、アメノコヤネノミコト、ヒメノカミ)に捧げる舞です。
尚、明治天皇の誕生日は新暦で11月3日(嘉永5年9月22日)であり、明治時代には『天長節』と呼ばれ、戦前には昭和3年に制定された『明治節』という祝日でした。その日が戦後に、『文化の日』となったのです。
そして午後は、神苑で一時半から舞楽演奏会なんですが、、、今年は正午頃から雨が降り出し、拝殿横にある直会殿での奉奏に変更になりました。拝見するのは室内で二方向からと拝殿内部からの、合わせて三方からですが、舞はやはり本殿方向向きです。幸い、狭い直会殿での舞いを正面から撮影するにはベスト・ポジションに構えることができましたが、四人で舞われる曲は柱があり、少々残念でした。ですが、至近距離から撮影することができたので、神苑での撮影が流れて残念でしたが、それを好機と捉えたアングルを狙いました。
演奏は春日古楽保存会と(社)南都楽所の皆様です。

《参考文献》
【年中行事儀礼事典】川口謙二、池田孝、池田政弘:東京美術
【神社と神々】井上順孝:実業之日本社
【雅楽壱具】林陽一、東儀俊美ら:東京書籍

上左写真 【(右)還城楽】『明治祭』にて、林檎の庭で。
上右写真 【   〃   】『舞楽演奏会』にて、直会殿で。
蛇を好んで食す胡国人が、蛇を見つけて喜ぶさまを舞う曲。左右両舞がありますが、本日は右方舞でした。左方舞は当曲で二拍と四拍の混合拍子(只拍子)で、右方舞は二拍と三拍の混合拍子(夜多羅拍子)の違いと、蛇の巻いてる向きが違います。上の写真は蛇を威嚇する所作“ろくろ”です。曲は、一名【見蛇楽】ともいうそうです。


【還城楽】


【還城楽】

上左右写真 【五常楽(左舞)】
唐の太宗が貞観(627〜649)の末頃に作った曲といわれてます。“五常”とは、儒教の“仁・義・礼・智・信”で、それを五音に配した曲ということです。獅子の絵の付いた蛮絵装束で、四人の舞人さんが舞う平舞です。今回は、序破急が通して奏され、それは20年ぶりということです。40分を越える大曲でした。

上左右写真 【狛桙(右舞)】
高麗から来貢するときに、五色に塗られた棹を操って渡ってきた様が舞われます。四人の平舞です。当日は女性の舞人さんでした。


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Last Updated  2005-11-13