■2005(平成17)年4月29日;伊勢神宮 「春季神楽祭」(三重県伊勢市)
伊勢神宮で一般も拝見可能な舞楽は、「春季」「秋季」の二回が神楽祭として内宮神
苑で奉奏されます。 |
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![]() 【振鉾】
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【胡蝶】
■2005(平成17)年5月1日;熱田神宮 「舞楽神事」(名古屋市熱田区)
毎年5月1日には熱田神宮で「舞楽神事」が斎行されます。この日はちょうど「月次祭(つきなみさい)」の日でもあり、斎館前には午前8時半には神職さんが並ばれて、祓所で修祓(しゅはつ)後に本宮へ参進されます。 |
【月次祭】
【承和楽(しょうわらく)】は、仁明天皇の承和年間(834〜848)に作られた和製舞楽です。襲装束で四人の舞、番舞は「仁和楽」です。寿の舞として宮中の響宴などで舞われた曲です。 【仁和楽(にんならく)】は、光孝天皇の仁和年間(855〜888)に作られ、年号をもって曲名とされた四人の右方舞です。 【迦陵頻(かりょうびん)】 天竺の祇園精舎の供養日に極楽にいるという霊鳥の迦陵頻伽(かりょうびんが)は、美女の顔に鳥の姿をして美しい声で鳴くといわれてます。その通りに美しい舞人さんによる可憐な舞で、舞ながら打つ銅拍子の響きも印象的です。平安時代の初期の和製舞楽とも、あるいは仏哲阿難が印度から唐に伝え、それが我が国に伝わったとも云われてます。「胡蝶」の番舞です。 【散手(さんじゅ)】左方の走舞(はしりまい)で、別装束に身を包んだ舞人が、龍甲の面を着けて舞います。一人舞いですが、舞台の下には従者ともいう番子が控えていて、舞人に鉾を受け渡しします。神功皇后の三韓征伐の時、率川(いさかわ)明神が舟の舳先に現れ、新羅の軍を平らげたさまを仁明天皇の頃に舞にしたと云われてます。 【貴徳(きとく)】は「散手」の番舞で、右方舞の走舞です。平安時代初期に、粛清人(しゅくしんじん)が来朝した時に伝えた渤海楽と云われてます。漢の宣帝のときの戦に由来する舞とのことです。「散手」同様に番子が舞台下に控えていて、舞人に鉾を受け渡しします。散手同様、鉾を振り回す勇壮な舞です。 |
![]() 【承和楽】 |
![]() 【仁和楽】 |
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【散手】
【貴徳】
《【迦陵頻】の聴けるCDのご案内》 平舞も優雅です、走舞も迫力あります。でも、やっぱ可愛い【迦陵頻】が好き!って とき、曲が収録されたCDがあります。伶楽舎の演奏による『舞楽』(COCJ−30793〜 30794)です。演奏は、メリハリの効いた優しさと力強さを兼ね揃えた、スケールの 大きな世界を展開してます。雅楽の楽器の織り成す煌びやかな彩りが最高!です。二 枚組で、左方曲と右方曲に別れているのも気分で選べて便利です。 |
《参考文献》 【雅楽壱具】林陽一ら;東京書籍 【神道祭祀】真弓常忠;朱鷺書房 および伊勢神宮と熱田神宮の舞楽パンフレット |
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Last Updated 2005-09-27