日本!
No.30 川根はやし田、原田はやし田(安芸のはやし田)
撮影年月日;平成19(2007)年5月27日
撮影機材;Nikon D80+VR18-200mm

「川根はやし田」は、09:30〜12:00
「原田はやし田」は、12:00〜13:30

  今回訪れた川根や原田の「はやし田」は、総称として「安芸のはやし田」と呼ばれている。「はやし田」では飾牛が代掻きをし、さんばいさんが音頭を取って歌う。その田植え唄に合わせて早乙女が掛け合い唄いながら、田植えをする。その背後では囃子方が腰太鼓をうちながら、踊る。かつては畔の男達から早乙女に、かなり性的な言葉が投げ掛けられたらしい。それは性的なことが孕む、そして稲作の豊穣へ繋がる類感呪術的なことであるが、言葉は一種の言霊であろう。
中国地方や四国などの地域で、特に「はやし田」では田の神を“さんばい”と呼ぶが、なぜそのように呼ぶか定説は無い。ただ、田の神の依り代が三把の苗と考えられていた時代があったことも関係あるらしい。
本を見ると(※)、応永年間(1394−1428)の大山寺縁起には、同じ様に田に入って囃す絵が描かれているし、文だけなら平安時代にも同様に行なった記録があるようだから、古くから行なわれていた田楽の一種であったろう。
今回訪れた原田では約450年前、この地方独特の厚い粘土と深い泥の層が稲作に不向きで、必死に努力された民が、田植えの始まる頃に田の神(さんばい)を招く神事を盛大に行なったようである。
余談だが、民俗芸能とは、どのような発生や進化、細分化をしたのか不思議に思う。早乙女の背後で太鼓踊りする囃子方が、田から陸に上がった独立した芸能になったのが、風流太鼓踊りに思えるが。。

     《参考文献》
      (※)【日本の伝統芸能】本田安次、錦正社
      【大田植と田植歌】牛尾三千夫、岩崎美術社


■ 川根はやし田
撮影場所;広島県安芸高田市高宮町川根
現地情報;中国道安芸高田ICより車で35分、ナビは「川根エコミュージアム」で入力。


■ 原田はやし田
撮影場所;広島県安芸高田市高宮町原田
現地情報;中国道安芸高田ICより7分、駐車場&ナビ入力は「来原小学校」。


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Last Updated  2010-06-10