日本!
No.42 二見興玉神社(夫婦岩 日の出、藻刈神事)、伊勢神宮(月次祭御ト)
■ 二見興玉神社 夫婦岩 日の出

撮影場所&日;三重県伊勢市、平成20(2008)年5月21日
撮影機材;Nikon D300+VR70-300mm


午後10時、「明日の朝食要るの?」と尋ねる妻に、「早いで要らん。」と答え、寝る。起床は午前2時15分で、出発は午前2時半。起きても朝食というより夜食の時間かもしれないが、コーヒーだけ飲んで出発する。
これまで何度も伊勢方面へ行きながら、今だに撮影していないのが二見興玉神社さんの夫婦岩からの日の出だ。定番過ぎて撮影意欲を刺激されなかったこともあるが、気象条件に左右される不安定な被写体であることも写さなかった理由だ。台風4号も過ぎ、晴天は確約されたようなもの。一路、伊勢道を南下する。日の出は午前4時44分だが、爆走したおかげで4時前に到着。日の出前の海風は冷たい。背広の上に一枚ジャンパーを着て、撮影ポジションに向かう。まだ真っ暗だが、やがては日の出前の藍色に染まる空も撮影できるだろう。刻々と変わる空の色、日の出時刻を8分過ぎ、夫婦岩の間から太陽が顔を出した。境内でじっと待つ修学旅行生から、歓声が上がる。日本!の美しい日の出だ。
夫婦岩の間から、5〜7月には太陽が出る。究極は夏至の日で、運が良く富士山が見えるなら、太陽は富士山の頂上から登るらしい。ただ梅雨の時季ゆえ、そのチャンスは10年に一回有るか無いからしい。夏至でもないし坂東はまだ曇っているのか、私の写真では富士山は認められない。夫婦岩&富士山&太陽と三点セット揃って「三合一体」というそうだが、三点セットが写っていれば、だから何だ(!?)ということになるだろう。私的に不勉強で分からないことが多々ある。伊勢神宮と富士山の関係のことである。日の神様の遥拝するのに、富士山から日が昇る必然性があるとしたら、富士山は伊勢神宮にとっても意味があるはずだ(木花咲耶姫命が富士山の神霊としても、もっと他の意味があるのではなかろうか)。鳥居のような人工物と異なり夫婦岩は自然岩だから勝手に作れず、富士山と太陽のライン上にここの岩が夫婦岩として選定されたのは、岩場を探しての考慮の上だろう。この夫婦岩の沖合い700mには、猿田彦大神が降りたもうた興玉(沖魂)神石が鎮まっている。富士山を巡る「レイライン」という軸がある。夏至の日の出の富士山のライン上に並ぶのが、「霧島−伊勢神宮・二見興玉神社−富士山−皇居」(!)、なのだ。レイラインとは何だか呪術的ラインと思える。皇居の地が設定された時、このレイラインが考慮されたのだろうか。江戸に皇居を移すにあたって、偶然だったのか。皇居の位置は呪術的空間設定の発想があったのか。このレイライン、伊勢神宮から西へいくと、霧島がある。高千穂と並んでニニギノミコト天孫降臨伝説の地である。天皇家の故郷を示唆するラインなのか?!。伊勢神宮の星辰信仰で、北斗七星の軸の関連は云われている。伊勢神宮の三節祭(月次祭、神嘗祭)は、北斗七星の東西軸に関係があると。では富士山レイラインは、何なんだろうか。その意味が分かれば、夏至に三点セットが天候ゆえ10年に一度しか拝することができないとしても、撮影にチャレンジする意欲も沸くような気がする。しかし太陽の軌跡のライン上に皇居、興玉神社、伊勢神宮そして霧島が並ぶとは、、、太陽霊の復活を祈る聖地が夫婦岩周辺であることを思えば、誠に興味深いことだ。



■ 二見興玉神社 藻刈神事

撮影場所&日と機材は同上


二見興玉神社さんは注連縄で結ばれた夫婦岩が有名だが、この夫婦岩は沖合い660mに鎮まる興玉神石の鳥居、あるいは夫婦岩の間から昇る太陽(日の大神)の遥拝所でもある。このように夫婦岩を鳥居として鎮座される興玉神石とは、猿田彦大神が天孫降臨の際に立たれた処とも伝わっている。江戸時代の地震でこの興玉神石は海中に没した、周囲1kmの岩礁だそうである。ここに生える無垢塩草(アマモという海草)を採取し、それが当社の祓具や御守とされたりする。祭典当日の21日は前日の台風4号や低気圧も通り過ぎて晴れたが、風はやや強いままであった。午前10時、拝殿での祭典の後、祭主神職さんらに巫女さんらは、船出される近隣漁港に移動された。漁船でもチャーターして追っ掛け撮影しようかとも思ったが、神石は聖域ゆえ個人でそこまでやるのは不遜ゆえ止めて、今回は夫婦岩の注連縄を入れて陸上から奉拝・撮影することにした。待つこと約15分、山影の漁港から榊、幟に注連縄そして四隅を忌竹で結界された和船が現れた。和船といえどもモーター駆動だからスピードが出る。舟は興玉神石に着くと周囲を三周、神職さんらは二拝二拍手二拝し御神酒を海中に奉げ、そして手鎌で無垢塩草を祭主さまが採取される。写真は、まさにそのシーンである。
興玉神石は沖合い700mもの距離があるので、肉眼では小さくしか奉拝できないが、風に靡く幟や忌竹そして神職さんや巫女さんの白い装束が青い海の彼方に認められ、とても清清しい気持ちになった。


■ 伊勢神宮 月次祭 御ト

撮影場所&日;三重県伊勢市 伊勢神宮内宮、平成20(2008)年6月15日
撮影機材;Nikon D300+VR70-300mm、D80+SIGMA10-20mm


伊勢神宮における月次祭の前の興玉神祭および御ト(みうら)の参進を、参宮し奉拝・撮影してきた。
興玉神祭の報鼓の直前から小雨が降るようになって、雨儀とあいなった。
先頭を参進される緋袴のお方は、今上天皇の姉君であられる祭主の池田氏。

    《参考文献》
    【伊勢神宮 知られざる杜のうち】矢野憲一、角川選書No.402


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Last Updated  2010-06-10