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No.69 談山神社 百味の御食 (嘉吉祭)
■撮影場所&日; 奈良県桜井市多武峰 談山神社、 平成24(2012)年10月14日

蒸気機関車ファンを公言しながら 肝心な 10月14日「鉄道の日」 に、おまつりに浮気だ。 「百味の御食」と称される特殊御神饌を拝するのを以前から楽しみにしていた、 おまつり である。 場所は奈良県桜井市多武峰の談山神社さん、祭典名は嘉吉祭である。

この談山神社は藤原鎌足公の改葬地に建立された、妙楽寺を前身とする。永享10(1438)年、 「大和永享の乱」で全山焼失したさい、御祭神の鎌足神像が奈良・橘寺に遷された。3年後の 嘉吉元年に修復がなった機会に神像が還御された。その時に郷中の人たちがお祝いしたのが 祭りの始まりと云われる。

現在では妙楽寺は明治の神仏分離によって談山神社と名を変え、嘉吉祭が続行継承されている。 名前の由来である「百味」とは、明治以前には百以上の季節の山海の幸によって献供されてきた 御神饌の数によっている。今では33と数は少なくなっているが、誠に美しい美術工芸品的に 見事な御神饌が調製されている。多武峰の集落は12軒で、その家から本当屋・前後当屋が選出され るが、今では社務所で調製されるので、当屋における負担は少なくなっている。 御神饌は一週間前から調製が始まり、当日の朝に和稲(にぎしね)御供や果物盛御供の先端の 串状のてっぺんに、早朝に採れた唐辛子・小かぶら・小茄子などを刺していく。

早朝に御供の準備が完了すると、権殿に運ばれる。祭典が始まって献饌となると、氏子さんが十数人 権殿から本殿へ手渡しリレーで約120mの距離を献じていく。

祭典自体は神社本庁の祭式次第に順じていたが、御幣を「おんべ振り」と称して宮司さんが 本殿御簾前で振られるのが特色あった。


上写真2枚; 早朝、氏子さんが調製の仕上げをされていく。

上写真5枚;
(和稲)
米を貼り付けた4台の筒を、和稲という。 その本体部分には、燐紋様・卍文様・菱形文様・神社文字の四種がある。 詳細に見るとその本体部分は、粒粒が認められる。じつはこれ、彩色した米粒が貼り付けて 形成されているのである。芯棒は高さ15センチ、直径4〜5センチの円形和紙にもち米粉 と水を混ぜて練り上げた糊を塗り、そこに彩色された米粒を貼り付けていく。一段が約40〜45粒で 全部で50段で文様を描いていく。単純計算で2000粒以上の米粒が貼り付いていることになる。 ベテランの氏子さんでも、一本に数日かかるという。てっぺんの野菜は、祭典の早朝に採れた野菜を刺していく。

(荒稲)
「荒稲(あらしね)」 と称される毛羽立った御供がある。 白穂・黒穂・赤穂の計3台が調製される。 白穂は粳米(うるちまい)の のぎ付き籾(もみ)を用いて高さ14センチの木の 神饌台に糊を塗り、台の先端に酸漿が埋まるように上部から籾を揃えながら貼っていく。下部には かやの実を三段に付ける。 黒穂は古代米の のぎ付き籾を、赤穂は赤米の のぎ付き籾を用いる。黒穂・赤穂 共に下段には 銀杏を三段に付ける。 白穂・黒穂・赤穂 それぞれ 一台におよそ 4,000〜5,000粒 の籾を貼るという。 この荒稲御供を調製することを、「毛御供(けごく)」と呼んでいるという。

(飯御供)
中央、新藁で巻かれた長さ40センチほどの箱には、うるち米2升が当日の早朝に蒸されて箱に入れられている。 この うるち米は、直会で氏子さんに配分されるようである。 箱を包んだ新藁が、ピンと立っている。 オコナイにおいて御鏡餅に乗せる、エビ(海老=蛇)を彷彿とさせるシンボルである。

(倉餅)
倉餅という一辺が28センチ・厚さ4センチ四方の御鏡餅がある。丸餅も奉納されることを思えば、この四方形の御鏡餅は特徴的である。色は赤・緑・黄・白の四色で塗られる。色を染めるのは、建物の屋根を表し、蔵が建つほど繁栄するようにという願いが込められているそうだが、後付の理由であろう。むしろ黒を含めた五色でないのが不思議であり、四色に どのような意味があるか想像だにできない。

(果物盛御供)
献饌順番の9番から23番には、果物や野菜が並ぶ。 栗・むかご・しょし・かや・えだまめ・なし・かき・ひめりんご・こうじみかんこうじ・銀杏・夏目・椎茸・しめじ・すだち である。大きさも色艶も揃った果物に野菜が盛り付けられているが、揃えるのが大変であろう。 特殊神饌は以上であり、他に一般神饌として鯛や白菜などが献じられる。

上写真10枚; 修祓〜献饌〜御幣振り〜撤饌
祭典は通常の祭式次第にのっとって斎行された。


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Last Updated  2012-11-26