日本!(雅楽・舞楽、能楽)
[能楽] No.1 能「小鍛冶」、狂言「鏡男」
■ 平成28(2016)年10月15日(土) 滋賀県長浜市、長濱八幡宮

◎ 薪能「小鍛冶」
長濱八幡宮さんの秋季例祭に合わせて奉納される薪能、平成28年度は「小鍛冶」であった。
前シテの面は童子または慈童あるいは尉が用いられるが、今回は女面のような童子が用いられた。
後シテの面は泥小飛出であるが、頭髪に赤頭や白頭で狐を頂いた狐戴(きつねだい)の場合もあるが、今回は黒頭で狐は頂いてなかった。観世流で黒頭は最も重い扱いの曲になるという(※)。
小鍛冶、霊狐(後シテ)が小鍛冶宗近(ワキ)と剣を鍛え上げる所作がキビキビとこの番組ならではの特筆するシーンである。
(※)書籍『演目別にみる能装束』(観世喜正・正田夏子、青木信二;淡水社)

シテ;古橋正邦、ワキ;原大、ワキツレ;原隆、間;野村又三郎
大鼓;河村大、小鼓;吉阪一郎、笛;竹市学、太鼓;前川光範、 他

上写真;勅使(ワキツレ)が登場し、一条院の臣下・橘道成と名乗り、宗近(ワキ)に帝の霊夢を教えて剣を打つように宣旨を伝える。

上写真;宗近は相槌の居ないことを嘆くが神力を頼むこととして、氏神様の稲荷明神に参拝する。すると黒頭の童子(前シテ)が現れる。

上写真;童子(前シテ)は宗近との問答で、例えとして日本武尊の東国平定にまつわる草薙剣の奇譚を話し、打つべき剣もそれに劣らぬと宗近を励ます。そして壇を設けて待て と言い残して稲荷山に去って行く。

上写真;宗近が壇にて幣を捧げ謹上再拝と祈ると、稲荷明神(後シテ)が槌を携えて走り出て、神威を示す舞働を舞う。

上写真;宗近を促し、稲荷明神と宗近は交互に刀身を打つ。剣には表裏に銘を入れて「四海安穏、五穀成就」を祝福する。

上写真;勅使に打ちあがった剣を授けるや、叢雲に飛び乗り、稲荷の峰に帰って行く。

◎ 狂言「鏡男」
能「小鍛冶」の前に奉納された 狂言「鏡男」。訴訟に都に来ていた男は勝訴し、故郷に帰ることとなった。留守番をしている妻に土産に手鏡という珍しい物を手に入れて帰るのだが、喜ぶと思った妻は激怒する。鏡に映る自分の顔に、夫が都から女を連れて帰ってきたのだと思ったのだ。
鏡が庶民には貴重で珍しかった時代の話が、小気味良いテンポで笑いの世界に引き込んでいく。

野村又三郎、野村信朗、松田高義

◎ 長濱八幡宮 秋季例祭 還御祭

上写真;能の奉納が終わった頃、御旅所から御神輿が還御される。御神霊が本殿へ、そして還御の儀が斎行される。


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Last Updated  2016-12-20