日本!(雅楽・舞楽、能楽)
[能楽] No.4 長浜八幡宮 薪能『 清経 』
■ 平成29(2017)年10月15日(日) 滋賀県長浜市、長浜八幡宮

◎ 能「 清経 」 観世流 シテ、古橋正邦(師)

滋賀県 長浜市 で一日中まったりしてきた。
昼間は長浜駅隣接の 伊吹山珈琲店 で のんびり読書し、合間に「 SL北びわこ号 」の撮影。
そして夜が 長浜八幡宮さんの秋季例祭における奉納薪能の鑑賞と撮影である。
番組は、【 清経 】。
武将の能、いわゆる修羅物(二番目物)でも勝ち戦を素材に扱った“勝ち修羅”に対して、【清経】は負け戦の武将の“負け修羅”である。 清経は平清盛の孫で、平家全盛時代に育った御曹司である。頼朝の再起により源氏方によって西国に落ちていくまで、戦知らずの貴族であった。平家一門が壇ノ浦で滅亡するころ、清経は行く末に絶望して豊前国柳が浦にて入水自死する。形見の遺髪を持った家臣(ワキ)が京の清経の妻(ツレ)の元を訪ねて事の次第を話す。家臣も去った或る夜のこと、妻の夢枕に亡霊となった清経(シテ)が現れる。妻は 清経が生きて戻らなかったことを嘆き、戦うことなく自殺を選んだ不甲斐なさに恨み言まで述べる。清経は追い詰められた苦しい様や生への未練、妻への懺悔の気持ちなどを述べながらも、戦さ物語を語り、そして十念を唱えた功徳で成仏できることを語り、消えていく。 京に置いて行った妻の元に、亡霊となっても戻りたかった情念と未練が物悲しいながらも強く生きることへの希求を感じさせる悲しい能の名曲である。
ワキ柱で鎮座するはずのワキ(家臣)は早々と舞台を去り、ワキ柱にはツレである清経の妻が鎮座する。清経の妻が見ている幻、あるいは夢枕の世界を我々は第三者として観ているのである。

上写真;清経の家臣が、京にいる平清経の妻の元を訪れる。


上写真2枚;清経の家臣から清経の遺髪を受け取り、嘆き悲しむ。

上写真;妻の夢枕に清経が顕われる。

上写真5枚;追い詰められて自ら命を絶った経緯と生への執着に苦しむ様を舞う、清経。


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Last Updated  2017-12-18