日本!(オコナイ)
No.24 高月町 西野
撮影場所&日;滋賀県長浜市(旧伊香郡)高月町西野、平成22(2010)年2月7〜8日

「重則のオコナイ」の夜には、隣集落の西野においてもオコナイ(西野では神事講と表記する)があるので、そちらも拝観・撮影させて頂いた。
この西野の中心にあるお寺を境に、北組と南組に分かれていて、それぞれに頭屋さんがある。私が訪れた頭屋さんは北組である。頭屋さんの民家で、本日の午後7時頃から餅米を蒸し始め、餅搗きは午後8時ころからである。搗きあがったお餅は、曲物に収められて、昼間に調製されたオカワ(ここでは、ワ と呼ぶ)の前に置かれる。オカワとお鏡餅の準備がなったところで、午後8時半ころから玉籤で再来年の頭屋さんが講員35人前後の前で行われて決せられる。そして盃ノ儀である。儀式が済むと、午後11時30分頃の社参まで本膳である。北組の講員は30数名だが、頭屋さんを一度引き受けた方は玉籤から抜けるので、17名ほどで籤が行われた。
さて、西野のオコナイの特色は、北組が丸い御鏡餅を調製されるのに対して、南組は四角である。四角の御鏡餅は、極めて珍しい。そして社参の時に北組は御鏡餅の入った曲物を追う朷(おうご)で二人で運搬するが、北組の四角の御鏡餅は、肩に担いで社参される。
そしてもう一つ、大きな特色は、社参が深夜零時をまたいで行われる点である。頭屋を午後11時40分ころに出た社参行列はオカワや御鏡餅を持って、日枝神社の拝殿で日付が変わるのを待つ。そして退下後は出発地の頭屋さん宅に戻らず、新頭屋さん宅へ向かい、その家でオカワが一年間、つまり来年のオコナイまで守られる。この点が意味がある。頭屋さん宅から出た御神体であるオカワや御鏡餅が、日付が変わる時点で拝殿で滞在することによって、神威が更新された状態となり、新頭屋さん宅へ向かうのである。日付が変わって昨日まで頭屋さんをしていたのは過去となり、新頭屋さん宅へ向かう時点で御神体(オカワ)は神威更新し未来を見つめた状態になっているという意味である。かなり呪術的な意味あるオカワの扱いである。このような日付が変わる宵宮のオコナイは現在では珍しいが、昔は案外と有ったのかもしれない。
午前0時半ころに新頭屋さん宅では、引継ぎの盃が酌み交わされた。このような儀礼が多夜に行われるとは、誠に神秘的で素晴らしいオコナイであった。
尚、北組の丸い御鏡餅と南組の四角と違いがあるのは、金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅で西野を表現した、あるいは陰陽の違いなどの理由だろうと思っている。

※西野の皆様にはお世話になりまして、どうもありがとうございました。下調べで訪れた時にK氏に出会い、多々情報を頂き重ねて御礼申し上げます。

上左右写真;頭屋さんにおける御餅搗き

上左右写真;講員が居並ぶ居間で、搗かれた御餅が曲物(ワ)に移される。

上左右写真;頭屋を決める玉籤、そして盃ノ儀。

上写真2枚;オカワを先頭に、社参。

上写真;日枝神社に御鏡餅を奉納し、拝する。

上写真;社参から新頭屋に行き、引継ぎの盃。


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Last Updated  2010-02-26