日本! (近江の祭・火祭)
No.2 勝部の火まつり
撮影場所&日;滋賀県守山市・勝部神社、平成20(2008)年1月12日
撮影機材;Nikon D300+VR8-200mm、D80+SIGMA10-20mm
現地情報;臨時駐車場あり、祭りは18時〜21時(奉火は20時半)

約800年前の土御門天皇が病になられたとき、近江の国栗太、野洲の両郡の境に大沼があって、そこの大蛇が天皇に危害を加えているという。宮中から軍を差し向けて勝部神社に参篭、ついに姿を現した大蛇を殺し焼いた処、天皇の病気は平癒したという。その伝承を持つ火祭りは、この勝部神社が長さ約5mの大松明12基で大蛇の胴体を表している。
祭りは午後6時から褌だけの若衆が大太鼓三基を持ってそれぞれが町内巡行をする。午後8時、その大太鼓が神社境内に入るとやがて大松明も境内に勢揃いする。若衆は境内に入る時は「ごーよひょーよ。(御悩平癒)」と唱える。午後8時半頃に大松明に奉火されると、境内一帯が火の海と化す。その前で若衆が円陣を組んでグルグル回り乱舞する。この祭りは一種の左義長とも考えられる。が、あるいは小正月の前に行われることや天皇に憑いた悪霊の伝承を考えるなら、晦日に邪霊を攘する儀礼とも私は考えるが、どうであろうか。奉火の前に町内を大太鼓が巡行してから境内に入るのは、町内の疫神などを追い払い清めていく行為であろう。左義長は新年に迎えた歳神様を注連飾りや門松を焼くことで、火と共に送る儀式である。すると邪霊祓いにウエイトを置いていると私が思う「勝部の火まつり」は通常の左義長とは少々違うのかもしれない。そこらへん解釈が難しいが・・・。ちなみに同じ守山市の住吉神社では、「住吉(浮気)の火まつり」が行われ、こちらの大松明は大蛇の頭を表すという。こちらは来年、訪れたい。大松明は点火されるとアッという間に炎上し、ものの5分程で燃え尽きてしまった。12基の大松明が一番火力が強くなった時は猛烈に熱く、さすがの若衆も近寄らないので、炎の前で若衆が乱舞するのは僅か1分くらいである。シャッターチャンスは少ない、、、。
大松明は一基の長さが約5m、直径は最大値で約4m、重さは400Kgもある。材料は、はんのき、種穀、竹、縄で作られている。

上左右写真;太鼓が屋台に載せられて町内を巡行、やがて神社に戻る。寒い中、若衆は褌一丁である。

上写真5枚;大松明に奉火されると、若衆がその前でスクラムを組んでクルクル廻って乱舞する。


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Last Updated  2010-01-01