日本!(近江の祭・火祭)
No.59 三上の ずいき祭り(社参・芝原式)
■ 令和元年(2019)年10月 撮影、 滋賀県野洲市 御上神社

「ずいき祭り」の参拝・撮影をしてきた。

この祭礼は神社が主体として行われるのではなく、集落内に三つ(長之家、東座、西 座)存在する 宮座(祭祀組織)が主たる務めを行っており、14日の本祭の5日前の神事から毎日神 事を重ねて行われる。この宮座は永禄四年(1561)から変わることなく今日まで、祭 礼を組織実行されている。

御神輿自体がズイキでできているから、それだけで御神饌でもあるし、3日前の湯立 式で御幣に神降ろし が行われて、その御幣を頂くことで御神輿に神霊が憑いた状態となる。

この御神輿にはお猿の相撲像が奉載されており、猿を神の使いとする日吉大社や比叡 山の影響を感じさせる。ただし、それだけでなく「ずいき祭り」独自の猿へのこだわ りが有ると想像している。

昔は三上山にも猿が多数生息していただろう。木から木へ、山から山へと自由に移動 し、時には集団で 人間を威嚇もする猿の姿に畏怖を感じていたかもしれない。そのような猿は『日本書 紀』において 遷都を予言したと伝えられることから、未来の事象を予知して人間に伝えることがあ ると、思われていた。

そのような予知能力と俊敏に野山を駆け巡る不思議な力を持つと思われる猿が戯れる 姿を、相撲をしていると想像したのかもしれない。 その動物である猿の不思議な力を授かるのに、猿と人間を結ぶ中間的存在として、猿 田彦の登場は必要不可欠だったのだろう。 猿田彦は天孫降臨において神々の道を塞ぎ、そして開放し導く。導くとは、太陽の 神々一族を導くのである。

夜に行われる「芝原式」は、日(陽)待ちする夜神楽同様に、夜が明けて陽を導く、 すなわち現世の 更新と再生の希求であろう。猿が相撲をすると同じように相撲の儀式をするのは、猿 の予知能力や 猿田彦の陽を導く能力が人間に憑いたという、モドキではないだろうか。大人ではな く子供が相撲を とるのは、純粋な子供の方が憑き易いという点があるからだろう。

猿の相撲人形、猿田彦、そして相撲儀式について狒杼”してみた。


■ 社参

午前10時の報鼓と花火で各座からの神輿渡御が行われるのだが、その一場面である。
二の鳥居を潜り、太鼓橋の前までは御神輿は台車に載せられて牽いてこられる。
御神輿は五基が拝殿に並べられてから、祭典が行われる。

上写真;拝殿に社参する前に、神社楼門前に五基の御神輿が並ぶ。

上写真;ずいき神輿は写真の右側の本殿寄りから 長之家上座(本年なし)、東之座上座(前田)、 東之座下座(大中小路)、左側の本殿寄りから長之家下座(小出)、西之座上座(東林寺)、 西之座下座(小中小路)の順で並び、その内側に頭人が座す。 御神輿の荘厳は菊、紅葉、菖蒲そして相撲猿である。菊は不老長寿、菖蒲は魔除け、 紅葉は季節物そして相撲猿は神の使いである。

上写真;祭典。


■ 芝原式(令和元年度は雨天の影響で境内ではなく、拝殿で斎行された。)

午後07時からは「芝原式」という儀礼が行われるが、ずいき祭りの正式名称が「若宮 殿相撲御神事」ということでも分かるように、子供相撲の奉納も行われる。
しかし、、、「芝原式」は、本当に謎めいた儀礼であった。

上写真;宮仕が青竹で編んだ花びら篭に入れた、牛の舌の形をした「花びら餅(牛の舌餅)」を各座の公文に配膳する。

上写真2枚;鼻高面の猿田彦が木鉾を持って登場する。

上写真;定使が給仕役をする直会。

上写真2枚;子供相撲だが勝負はつかず、掛け声で終る。


トップページ 日本! (お神楽・田楽) 日本! (花祭) 日本! (雅楽・舞楽、能楽) 日本! 日本! (南北朝)
日本! (念仏・風流) 日本! (真清田神社) 日本! (オコナイ) 日本! (近江の祭・火祭) 日本! (山鹿灯籠まつり) 日本! (復活 蒸気機関車)
日本! (真野恵里菜) 中国の蒸気機関車 たけやま3.5 越天楽(Blog) 日本! (ヴァイオリニスト 谷口沙和さん)
ドイツ語圏(鉄道) ドイツ語圏(音楽・観光) ミャンマー 作者・写真集 掲示板 作者へメール

広告ポリシー
Last Updated  2019-11-04