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日本! (ヴァイオリニスト 谷口沙和さん)

No.4 2023年(令和5)年 機


★ 私の拝聴記録で、谷口氏の演奏全記録ではないこと御了承下さい。
(文中、奏者の方の敬称略)
(演奏が撮影可の場合、カメラはサイレントモードで無音撮影)


■ 谷口沙和ヴァイオリンリサイタル
 2023年01月21日(土)、代官山教会(東京都渋谷区代官山町)


リサイタルを大盛況そして大好評のうちに開催され、 東京に大きな第一歩を示され祝着至極でした。

曲は
G.P.テレマン 作曲 無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲より第一番
モーツァルト作曲 ヴァイオリンソナタ第21番ホ短調
メンデルスゾーン作曲 ヴァイオリンソナタ ヘ短調
ルクー作曲 ヴァイオリンソナタ ト長調
アンコール=ドビュッシー作曲 亜麻色の髪の乙女
(ピアノ;鈴木唯花)

それぞれの曲の個性(個人的な解釈を含むが)、 例えばモーツァルトの悲しみ、メンデルスゾーンの 深淵と闇、ルクーの迷いと陶酔そしてエネルギーを 引き出し優しく強く、ピアニスト鈴木氏と息の合った 見事な演奏だった。またこのコンビで拝聴したいものだ。 谷口氏と並び鈴木氏にも大きな BRAVE!を伝えたい。

実は、、、谷口氏がルクーを演奏されると知ったものの 未聴の曲だったので、昨年12月の愛知公演の前にCD で予習していた。しかし実演で遥かに大きな感動を覚え、 その印象を大事にしたいので愛知公演から東京公演の 間に同曲をCD などで聴くのを止めていた。そして 今回、やはり愛知公演での谷口さんのルクーで感じた 感動は間違いで無かったと再認識した。今回のルクー 演奏は特別狙った訳ではないそうだが、ルクーの命日で あった。まさにルクー氏が天上より見守ってくれた ような名演であった。

写真は谷口氏とピアノの鈴木氏(左)。


■ 『福井悠大と美女達による室内楽演奏会』
 2023年02月01日(水)、カワイ名古屋コンサートホール「ブーレ」(名古屋市中区栄)

(ピアノ)福井悠大氏
(ヴァイオリン)谷口沙和氏
(チェロ)川村なつみ氏
《メンデルスゾーン プログラム》
「夏の夜の夢」より 結婚行進曲
ピアノ三重奏曲第2番
ピアノ三重奏曲第1番
(アンコール)「歌の翼に」

第2番は第1番に比べて演奏される機会が少なく、より知られている1番を 後にプログラムされたとのこと。しかしその2番の第一楽章から、三人の 奏者がたたみ掛けるが如く物凄い推進力で驀進していく。まさに急行用 蒸気機関車が長大編成を力強く高速走行で牽引していくが如く、見事な アンサンブルで魅了してくれた。

その牽引力は第1番の第4楽章でも遺憾無く発揮された。実演奏でお互い が高め合いながら推進していくのだろう。両曲の第二楽章のアンダンテは ゆったりと美しい弦とピアノの音色に癒される。

谷口さんがチェロの川村さん、ピアノの福井さんの方に視線を時々向けながら 息を合わせている表情も印象的だった。

一言で云うなら、カッコよく美しい(二言か)聴かなきゃそんそん、っていう 素晴らしい演奏会だった。


■ 第26回「とよたフレッシュコンサート」
 2023年02月18日(土)、
 豊田市コンサートホール(愛知県豊田市西町、参合館)

谷口沙和さんが シューマン作曲ヴァイオリンソナタ第1番を演奏されたので、聴いてきた。 大きくあるいは小さく、揺れ動く情熱あるいは情念の炎のような曲を情感豊かに演奏され、CDなど 音源で聴く以上に曲の良さを感じる事ができた素晴らしい演奏だった。

今回で26回目となる「とよたフレッシュコンサート」は愛知県に所縁の若い演奏家によるコンサート でこれまで延べ260人が出演されたという、歴史あるコンサートなのだ。

会場となった豊田市コンサートホールはパイプオルガンも設置された、音響の良いホールである。

下の階には能楽堂もあり興味深いお能の番組も舞われているが、なかなかこれまで足を運ぶということ がなかったが、今回初めて訪れることとなったのも、良い機会となった。


■【ヴィオレとマムの花束】コンチェルト+コンサートシリーズ「garden」
 Quartet mum + Ensemble Violet
 2023年02月23日(木)、電気文化会館ザ・コンサートホール(名古屋市中区栄)

Quartet mum(アンサンブル マム)は谷口氏らによる弦楽四重奏団で、 Ensemble Violet (アンサンブル・ヴィオレ)は 木管五重奏団である。元々、楽器構成が弦と木管であるから、その楽器 に特化した曲を別々に演奏されていたのだが、昨夜の演奏会を企画されたON music project の 北川氏の 縁で谷口氏とフルートの細川氏の結び付きから「花が咲いた」演奏会である。

たまたま2つのグループも花の名前、例えば mum は菊の略称で Violet はスミレ、であることから2つ のグループが融合することで花咲く「#garden」がイメージとなったそうだ。この音楽の「庭」では 今後、弦楽四重奏+木管五重奏にソリストを迎えて、コンチェルトなどの演奏をシリーズ化されていく ようである。そのプレ演奏会となったのが、昨夜の演奏会であった。

まず 谷口氏と細川氏による W.F.バッハ作曲 二重奏曲第二番ト長調 に始まり、 Ensemble Violetによる P.タファネル作曲 木管五重奏曲ト短調、そしてQuartet mum によるドビュッシー作曲 弦楽四重奏曲ト短調 と、 各グループが別々に演奏された。

Quartet mum であるが、昨日は チェロの貫名氏は変わらず谷口氏が1st Violin 、日比氏が2nd Violin そして川合氏がViola と楽器が変わっていた。

谷口氏の 1st Violin が超刺激的で魅惑的であった。特に第二楽章。

合同での演奏は、元々は大編成のオーケストラ演奏曲であるグリーグ作曲《ペールギュント》第1組曲 第1〜4曲、アンコールの ラヴェル作曲《亡き王女のためのパヴァーヌ》であった。

《ペールギュント》の第一曲を聴き始めた瞬間の印象は、響きの瑞々しさである。《亡き王女》において も同様に瑞々しさが有りながらも、妖艶な世紀末的そしてオリエンタルの雰囲気も醸し出される音の純粋 さが魅力的であった。まるでこの2つのグループのための曲のような素晴らしい印象を与えてくれた。

グリーグが一つのキーワードとのことで、そこから更に発展していく展望が頼もしい。

この「庭に咲く花」の過程を追っていく楽しみが増えたと思う。

このグループの合同演奏で聴いてみたいと思ったのは、シェーンベルク作曲《浄められた夜》である。 弦楽合奏版⇒ オーケストラ版 ⇒ オーケストラ版の室内楽 版 と異次元の世界を聴いてみたいものだ。

いつの日にか、、、。

ちなみに「#garden 1」としては 04月28日(金)に金澤なつみ氏をソリストに迎えて、グリーグの ピアノ協奏曲イ短調がザ・コンサートホール(名古屋市中区)において企画されている。

添付写真;演奏会チラシとパンフレットを、「garden」をイメージした背景で撮影。


■ミッドランドスクエア アトリウム コンサート
 2023年03月07日(火)、名古屋市中村区


「アトリウム コンサート」が開催され、第二部において ヴァイオリン 谷口沙和氏、ピアノ 橋本由羽氏によって 下記の曲が演奏されたので拝聴してきた。

ヴィヴァルディ;『四季』より「春」
シューマン;『女の愛と生涯』より「私の指の指輪」
シューマン;『ミルテの花』より「献呈」
ブラームス;『ハンガリー舞曲』第5番
モリコーネ;ニューシネマパラダイスメモリー
葉加瀬太郎;『情熱大陸』
(アンコール)
『魔女の宅急便』より「海の見える街」
滝廉太郎;『花』

アトリウムステージの背後のガラス面にはクリエイティブ ユニット(山田春奈氏、小林弘和氏)による「Time is Like a Flower」というタイトルで浮遊する花での時間 表現がされた前で、時間と共に生まれ消えて行く「音」 がアトリウムという「空間」に華やかに彩りされた。 春を先取りしたような美しい谷口氏と橋本氏の演奏で あった。


■ alimo X Mum Colaboration Concert Vol.2
 2023年03月16日(木)、昭和文化小劇場(名古屋市昭和区花見通)


東京のカルテットALIMOさんと 名古屋の MUM (谷口沙和さん所属)さんの第二回目合同演奏会である。

第一回目は谷口さんを知る前だったので未聴だが、 その時はメンデルスゾーンが演奏されたようで、今回は その弟子になる N.W.ゲーゼの弦楽八重奏曲が合同演奏の 曲に選ばれた。ゲーゼなる作曲家、予習をしようと CD や YouTube を探しても、全然出てこなかった。よって 曲を知らずに実演を聴くことになったが、快活な 馴染み易い曲で、心地よく聴くことができた。聴くだけ でなく八重奏という複雑な構成ゆえ 目でも奏者の 発する音を追うことが出来て、視覚的にも楽しかった。

各奏者が主張しながらも協調してゆくさまは、分離し つつも融合するという表現になるのかもしれないが、 音の構成が分かり素晴らしい演奏であった。この曲、 第三楽章にスケルツォが有り、思わずブルックナーの 交響曲を連想してしまった(時代的にはゲーゼが先だが)。

各カルテットでは ALIMOさんが ベートーヴェンの 弦楽四重奏曲第3番を、そして谷口さんの MUM は ハイドンの弦楽四重奏曲第79番「ラルゴ」を別々に 演奏された。「ラルゴ」はロマン派ではないものの、 曲から色んな情景を想像して楽しんだが、特に第二楽章 は浸透していくような響きでお気に入りだった。


■「音楽特別便 MUSIC CRUISE」
 2023(令和5)年04月09日(日)、名古屋市中川区〜港区・中川運河

名古屋の中川運河の ささしまライブ と ガーデン埠頭 の間を 57分かけてクルーズする「クルーズ名古屋」の 『ミュージッククルーズ・観光便』に乗船。

ON music project の 北川明孝氏が運河沿いの見どころ を紹介しつつ、ヴァイオリンの谷口沙和氏が演奏して いくという、豪勢なクルーズだ。谷口氏は演奏だけで なく実体験や感想を北川氏の質問に答える形でトーク され、沿川の見どころの雰囲気や情景がありありと 浮かんでくる内容であった。静かなホールではないが、 船のエンジン音をバックに流れるヴァイオリンの 調べも、乙なものだ。

上写真;中川口通船門の水位表示が船窓外に見える。

上写真; 河岸に残っていたサクラを背景に。

上写真;川鵜の大群が飛んで行くのが船窓外に見えた。


■ ランチタイムコンサート Vol.2431『デュオで奏でる春情』
 2023(令和5)年04月11日(火)、宗次ホール(名古屋市中区栄)

ヴァイオリン=谷口沙和氏、ピアノ=石田明日香氏
《プログラム》
ヴィヴァルディ;『四季』より第1楽章「春」
ラフマニノフ;幻想的小品集より 「エレジー」(Pソロ)
モーツァルト;ヴァイオリンソナタ第24番より第一楽章
ベートーヴェン;ヴァイオリンソナタ第5番「春」第一楽章
クライスラー;『愛の悲しみ』
シューマン;『子供の情景』より「トロイメライ」
シューマン;『ミルテの花』より「献呈」
チャイコフスキー;『くるみ割り人形』より「花のワルツ」
ブラームス;ヴァイオリンソナタ第3番より第一楽章
(アンコール)滝廉太郎;『花』

よく練られた選曲と構成のプログラムであった。

自然環境の春だけでなく、心情的に春であったり春の嵐 であったりと、自然の移ろいと感情の移ろいも表現された 曲であった。 特にモーツァルトの陰とべェートーヴェンの 陽を連続演奏される対比は分かり易かった。シューマンの 「トロイメライ」と「献呈」を続けて演奏される前に シューマンが作曲した背景を谷口氏が説明されるなど、 理解を深める工夫もありがたかった。

演奏は谷口氏の艶としなやかさの弦が表情豊かであったし、 石田氏の表現力あるピアノが説得力あり、素晴らしい演奏会 であった。

添付写真はチラシとカーテンコールの「撮影タイム」にて。

(左)谷口沙和さん、(右)石田明日香さん


■「音楽特別便 MUSIC CRUISE」
 2023(令和5)年04月22日(土)
 名古屋市中川区〜港区・中川運河

中川運河の ささしまライブ〜ガーデン埠頭間の 「クルーズ名古屋『ミュージッククルーズ』便」は ヴァイオリンの谷口沙和さんと日比ありささんの演奏で 「グルメ便」として航行された。

現在、中京地区を中心に展開される「珈琲元年」さんが 提供下さるコーヒーを船内で飲みながら生演奏と沿岸の ガイドを楽しむという、贅沢な片道1時間弱のクルーズ である。船内に満ちる珈琲の豊かな香りとお二人の 調べに、心地よい時間が惜しくも過ぎて行った。

ところでクルーズ船は何キロで運河を航行しているか アプリの「スピードメーター」で見てみた。

すると時速12Km 、、、巡行約6.5ノットである。 調べると、富士五湖汽船の遊覧船「もぐらん」号は 8ノット(約15Km/h ) で巡行しているから、狭い幅の 運河を航行する当クルーズ船であるから、妥当な速度 だろう。

上写真;前回のクルーズから2週間。前回は沿岸に桜が見えたが今回は、ツツジである。季節が凄い速度で進んでいるようだ。


■ Trio Iris Concert Vol.3 「和 ― 音楽 X 色彩 」
2023(令和5)年05月13日(土)
スタジオ・フィオリーレ(名古屋市中村区)

フルート:中村淳氏、ヴァイオリン:谷口沙和氏、ピアノ:大脇萌夏氏で構成される

Trio Iris のコンサートVol.3が開催されたので、聴いてきた。

音楽 X 〇〇 をモットーに斬新な企画を展開されているが、今回は「和 ー 音楽 X 色彩 」として 西洋クラシックから日本の作曲家まで色彩豊かな音色を聴かせてくれた。

特に異色の企画では、公募された曲「第1回 Torio Iris作曲コンペティション優秀 作品」として、応募の有った 12曲の中から審査員氏の審査を通過した3曲が演奏された。

この3曲の中から観客が投票で総合優勝曲を選ぶという、ユニークな選挙が行われ た。

どうしても耳触りの良い曲が票を集めたが、専門家の譜面からの審査では武満徹氏の ノヴェンバーステップスを 連想するような現代音楽(の古典名曲)的な曲が選ばれたようで、素人とプロの視線 の違いが面白かった。

コンペティション曲以外でも珍しい曲が並び、聴き応えが有り素晴らしかった。各奏 者の楽器へのタッチが時代と 曲によって異なり、一気に弾かれる集中力と体力は大変なものだろう。

アンコールは武満徹氏の曲。「和」で終わるが、氏の生前の活動の幅広さを表すよう な穏やかな曲がまた 良かった。

上左右写真は会場前の案内と、終演後の谷口沙和氏。

《プログラム》
F・ゴーベール作曲「古代のメダル」
第一回 Trio Iris 作曲コンペティション優秀作品
 [愽颪靴覆ら遁走
 Trio for flute , Violin and piano
 朱華の詩 フルート、ヴァイオリンとピアノのための
W.A.モーツァルト作曲 ヴァイオリンソナタ 第18番
C.ドビュッシー作曲「シランクス」
福島和夫作曲 「瞑」
平尾貴四男作曲 フルート、ヴァイオリンとピアノのための
        三重奏曲
(アンコール)武満徹作曲 小さな空


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Last Updated  2023-05-14