撮影場所&日;滋賀県長浜市(旧伊香郡)木之本町西山、平成23(2011)年2月12&13日 |
![]() まず御神号と呼ばれる牛玉宝印の存在である。宵宮の準備の時に和紙に神と書き、これを12本の束2組(閏は13本)に巻きつける。この御神号は、本日(ほんび)の搭渡しの儀式の時に、先搭(来年の当番)に授与される。そしてそれは御餅の献じられた一乗寺薬師堂に、一年間安置され、翌年のオコナイの日に下げられるのである。塔家が受けることで、その連続性が保たれ、それは連綿と集落の歴史を刻んできた証とも云えるのである。云うまでもなく、御神号は牛玉宝印が本質で、それは熊野の護符、それが転じて誓紙や連帯血判状のような存在になったものである。御神号は、大鏡餅の大きさを規定するオカワ(輪)に重ねるように安置されるのだが、そのオカワは大鏡餅の中に埋められている。御鏡餅は神仏のパワーを内在した象徴であるから、それと御神号が重なることで、オカワと御神号の神聖な聖威が高められるのである。 その大鏡餅は、宵宮に一乗寺薬師堂に献じられる。湖北の多くのオコナイが神社で行う宮オコナイになっている現在、寺オコナイを行うのは、湖北の3割くらいでしかない。オコナイの地と歩くと地元の人から、オコナイが湖北に多いのは延暦寺の鬼門方面だからだ、と聞く。その証明は不明ながら、実際はお寺に奉納するにしても延暦寺とは宗派が異なったお寺が殆どであるし、神社ならなおさらである。にも関わらずオコナイが連綿と続くのは、神仏や宗派を超えた祈りの世界が展開していると云え、感慨深いものである。 大鏡餅と同時に、餅花も献じられるが、その形態が独特である。全長3mほどのケヤキの木を弓状にしならせて、御餅を巻きつける。昔はこの餅花も5〜6mもあり、二本作られたというが、どうして立派なものである。 残雪の西山の地、興味深いオコナイに感動したものである。 ※西山の皆様には大変御世話になり、御礼申し上げます。 |
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上写真左右;御餅搗きと、餅花作り。 |
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上写真3枚;搭渡しの儀式。御神号を組長さんが先搭に授与する。 |
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Last Updated 2011-03-07